レジスタントスターチの健康機能 - プレバイオティクス作用 2

近年、レジスタントスターチが注目されてきた理由の一つに、プレバイオテックス作用、即ち、腸内善玉菌を活性化・増殖した結果生じる発酵産物があるといわれています。

大腸に達したレジスタントスターチを栄養源として腸内善玉菌が産生する短鎖脂肪酸に注目が集まっているのです。腸内菌が産生する短鎖脂肪酸には、酢酸、プロピオン酸や酪酸があります。(それ以外にもありますが、産生量は限られています。)ヒトでは、通常、酢酸が最も多いといわれています。

レジスタントスターチが短鎖脂肪酸の産生にどのように影響しているのか、については、近年多くの研究が進められています。

報告されている動物やヒトでのレジスタントスターチ/短鎖脂肪酸の試験データを総括的に分析・考察した研究者によると、
”レジスタントスターチ(RS2)摂取後の、腸内・糞便中の腸内菌(特に、乳酸菌)の増加及びpH低下は共通して認められており、それらの効果は、加えるレジスタントスターチ量が食餌の10%~15%以上であることが必要と思われる”と述べられています。(3)

又、豪州の研究者達は、11名の健常人による試験について報告しています。この試験では被験者を高RS摂取群(40g/日)と低RS摂取群(3g/日)にわけ、3週間後に、短鎖脂肪酸の産生量を測定分析しています。

結果は、右のグラフが示すように、高RS群が、低RS群に比べ、短鎖脂肪酸が有意に(p<0.05)増加しています。

又、レジスタントスターチはどの脂肪酸の増加をもたらすのかについての試験も行っており、その結果は下記のグラフに示しています。

このグラフからもわかるように、レジスタントスターチの摂食後には、短鎖脂肪酸の全体量をはじめとして、酢酸など主要な短鎖脂肪酸が顕著に増加していることがわかります。中でも、酪酸が倍増している(3.1mmol/d→6.2mmol/d)点に研究者達の注目が集まっています。

レジスタントスターチの短鎖脂肪酸産生に及ぼす影響についての研究は多く、その一部を下記にまとめてみました。ただ、注意すべき点は、腸内に棲む細菌はヒトによりかなりのバラツキがあることに加え、実験方法の違い、使用したレジスタントスターチの給源、種類、量の違い、さらに個々の被験者での通過時間や摂取に要した時間などの要因があり、その為、これらヒトの腸内菌の試験では、限られた被験者や期間で整合性のある結果を得るのは中々難しいと言われています。このような条件下でも、レジスタントスターチが短鎖脂肪酸、特に酪酸、の産生を増昇し、腸内pHを下げるという点においては多くの試験で共通の結果が得られていることは指摘しておきたいと思います。

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引用文献

1. Resistant starch as a prebiotic and symbiotic state of the arts
Topping DL, Fukushima M. Bird AR
Proc., Nutri. Soc., 2003 Beb. 62(1):171-6
2. Effect of resistant starch on fecal bulk and fermentation-dependent events in
humans.
Phillips, J., Muir, J. G., Birkett, A., Lu, Z. X., Jones, G. P., O'Dea, K., & Young,
American Journal of Clinical Nutrition
62(1)121-130. https//doi/org/10.1093/ajcn/62 1.211 (1995)
3. Resistant starch reduces large intestinal pH and promotes fecal lactobacilli and
bifidobacteria in pigs.
Metzier-Zebeli-BU, Canibe N. Montagne L. Freire J. Bosi P, Prates JAM. And
Tanghe S.
Animal 2019 Jan. 13 (1): 64-73., doi:10.1017/Equib 2018 May 10
4. Resistant starch in the diet increases breath hydrogen and serum acetate in
human subjects

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