実践編「腸活はじめませんか?」

【ごあいさつ】 
前回登場しました、永井研究室院生の末継夏帆と申します。腸活の実践編を担当させて頂きます。どうぞよろしくお願いします。

第3回のFOOD ACADEMIAでは「腸活」を取り上げ、①学び編、②発見編、③実践編の3シリーズでお届けします。今回は③実践編をお届けします。

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FOOD ACADEIA 第9回=レジスタントスターチ= 
実践編「あなたの腸年齢は?」

前回の発見編では、腸内環境を良好に保つことが、腸の免疫機能を下げないという点から大事だというお話が出ました。でも、腸内環境が良好かどうかは、どうすればわかるのでしょうか?

調べていくうちに、腸内細菌の研究でご高名な辨野義己先生が、「腸年齢チェック」という指標を提案されていることを知りました(文献1)。簡単に点数で出るので、ご紹介したいと思います。「腸内環境が良い」とは、腸内細菌(善玉菌や悪玉菌)のバランスがいい状態のことを指し、腸内細菌の構成が整っている人は腸年齢も若いという結果になるそうです。では、早速、「腸年齢のチェックポイント」で、ご自分がいくつ当てはまるかチェックしてみましょう。

【腸年齢チェック】
□ 便秘気味
□ 便が硬く、気持ちよく出ない
□ 便の色が茶褐色や黒っぽい
□ おならや排便後のにおいがきつい
□ 野菜が嫌い、ほとんど食べない
□ 肉食や外食が多い
□ 牛乳や乳製品が嫌い、ほとんど食べない
□ 運動不足を自覚している
□ 顔色が悪く、肌につやがない。老けて見える
□ ストレスが多く、飲酒や喫煙量がかさむ

【結果】
⚫︎ 9個以上 腸年齢は60歳以上。実年齢との開きが大きいほど注意が必要。
⚫︎ 6 ~ 8個 悪玉菌が増加している。体調を崩す可能性あり。
⚫︎ 3 ~ 5個 生活を見直す必要あり。
⚫︎ 1 ~ 2個 腸年齢と実年齢は同じ。

さて、結果はいかがでしたか?
辨野先生は、「現在の日本は『腸高齢化』が進んでいることや、20歳代の若者(とりわけ女性)に腸年齢が高い人が珍しくない状態である」と述べられています。「見かけは子ども、頭脳はおとな!」は、名探偵コ〇ンの名セリフですが、「見かけは若者、腸は高齢者!」とならないよう、チェックがついた項目の改善を目指してみてください。たとえば、次のようになります。

□ 野菜が嫌い、ほとんど食べない
   →しっかり野菜をとりましょう。今回、野菜のレシピも紹介しています。
□ 肉食や外食が多い
   →肉を減らし(魚や大豆製品などへ)、外食でもヘルシーな料理を選びましょう。
□ 牛乳や乳製品が嫌い、ほとんど食べない
   →ヨーグルトなど、お腹にやさしいものからチャレンジされませんか?
□ 運動不足を自覚している
   →ウォーキングや軽いジョギングは、便秘解消に役立つそうです。
    ご無理のないところから、開始されてはいかがでしょう。
□ ストレスが多く、飲酒や喫煙量がかさむ
   →お酒やタバコ以外でストレスを発散できる方法を見つけたいですね。

文献(1) 辨野義己.新時代を迎えた腸内常在菌研究.日経サイエンス2017年2月号,pp.39

【元気な腸のお手伝い、プレバイオティクスとプロバイオティクス】
「宿主(ヒト)に有益な腸内細菌(いわゆる善玉菌)」を元気にするには、2通りの方法があるそうです。
1つめは、プレバイオティクス。善玉菌が好んで食べるエサとなる、食べものや食品成分(オリゴ糖、食物繊維)を宿主であるヒトが摂取することで、「わ~い!大好きなエサがやってきたぞ~」と善玉菌たちは元気になります。例えば、野菜や果物、イモ類などの食物繊維をリッチに含む食品がありますし、オリゴ糖などの特定保健食品(トクホ)のいくつかもそうです。それと、これまでご紹介してきたレジスタントスターチも該当します。

2つめは、プロバイオティクスです。“宿主であるヒトに保健効果を示す、生きた微生物、またはそれを含む食品” と定義されています。生きた善玉菌そのもの、または死んだ善玉菌が該当し、これらが体内に数日間滞在することで腸内環境が整うと考えられています。一般的には、乳酸菌がよく知られています。ヨーグルト、味噌、納豆、ぬか漬けなどの発酵食品に多く含まれています。
以上の知識をもとに、実践編では、腸年齢チェック項目や、プレバイオティス、プロバイオティクスを意識したレシピを紹介していきたいと思います。

文献(2) Salminen S, etal. Functional food science and gastrointestinal physiology and function. Br J Nutr 80 : S147-S171, 1998.

【簡単!腸活レシピ】
プレバイオティクスとプロバイオティクスを同時に摂ることを、「シンバイオティクス」と呼びますが、それぞれを単一で摂取するよりも、より効果的に腸内環境を整えることができると考えられています。
そこで今回は、プレバイオティクス(野菜など)とプロバイオティクス(ヨーグルト)をミックスしつつ、簡単に作れる腸活レシピを紹介していきます!

ヨーグルト × ほうれん草
年間を通じて入手しやすい野菜のひとつがほうれん草です。冷凍もありますね。野菜と発酵食品のコラボレーションメニューとして、1つ目はミキサーにかけるだけで簡単にできるスムージーを紹介します。

ほうれん草の代わりに小松菜を入れても美味しいです。また、冷凍ほうれん草を使用することで氷を入れる手間を省けます。バナナを加えているので、ほうれん草が苦手な方やお子さんにも飲みやすくなっています。

2つ目はマフィンです。ヨーグルトのおかげで野菜の青臭さがまったくなく、野菜が苦手な方にもおすすめのおやつです。実は、野菜が苦手な知人にほうれん草が入っていることを秘密にして食べてもらったのですが、抹茶味だと思ったそうです(教えたあとも、もう一つ食べていました(笑))。

ヨーグルト×甘酒

W発酵食品のレシピです。甘酒は、ブドウ糖、多種のビタミン(B1・B2・B6・パントテン酸・イノシトール・ビオチンなど)、ミネラル、有機酸を豊富に含有していることから「飲む点滴」とも呼ばれているそうです。これから暑くなってくるので、熱中症対策の飲みものとしても役立ちそうですね。

文献(3) 坂本卓.発酵食品の科学 第3版.2018年,pp.93-94
文献(4)文部科学省 日本食品成分表 2015年版(七訂)

【おわりに】
今回は、プロバイオティクス、プレバイオティクスを意識したレシピを紹介しました。レシピには混ぜるだけでできるものも多いので、チャレンジしていただきやすいと思います。特にスムージーは様々な組み合わせができるので、自分に最適な腸活スムージーを研究するのも面白いかもしれません。私もさらに進化した腸活レシピを開発していきたいです。今回ご紹介した情報やレシピが皆様のお役に立てば幸いです。

【関連リンク】
兵庫県立大学 栄養教育・栄養生理学研究室ホームページ

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