実践編「レジスタントスターチ(RS)を食生活に取り入れる」

【ごあいさつ】
みなさま、はじめまして。実践編を担当する黒田佳澄と申します。兵庫県立大学環境人間学部の食環境栄養(管理栄養士養成)課程、永井研究室に所属しています。どうぞよろしくお願いします。

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FOOD ACADEMIA 第1回 =レジスタントスターチ=
③実践編「レジスタントスターチ(RS)を食生活に取り入れる」

前回の発見編では、久保が、①レジスタントスターチの機能、②日常生活ではどこでレジスタントスターチを見つけられるか、の2つについてお伝えしました。今回の実践編では、食生活にレジスタントスターチを取り入れるための方法や工夫についてご紹介します。

<図1 : 3つの実践ポイント>

その前に、大切なポイントを3つ押さえておきたいと思います。

其の一 RSばかりを食べるのはNG

どのくらいレジスタントスターチを摂ると身体によい影響があるのかという効果量や、逆にこれ以上食べ過ぎない方が良いという上限量などは、まだ、よくわかっていません。また、レジスタントスターチばかりを食べ続けることによって、食事のバランスが崩れ、栄養素の過不足を招いてしまうおそれがあります。何といっても、同じ食べ物を食べ続けると飽きてしまいますね。これは、他の健康によいと言われている食品にも当てはまることだと思います。

其の二 いつもの食事にプラスワン

そこで、お勧めしたいのが「いつもの食事にプラスワン(ちょい足し)」すること。ただし、難しい調理方法だと、やはり続きにくいものです。普段食べているおかずやデザートなどに、プラスワンして、長く続けるほうをお勧めします。方法は、このあと説明します。

其の三 いつでも使えるように常備しよう

ところで、いつもの食事にプラスワンするために、毎回準備をするのは大変ですよね。上手に保存したり、常備食品としてストックを置いたりすることで、簡単にプラスワンできます。

【いつもの食事にプラスワン】

では、今回もふたたび、スーパーマーケットの入り口にいる場面を想像してみてください。目の前には野菜売り場があり、進んでいくと鮮魚売り場、精肉売り場と続き、レジ前には加工品やパンが売られています。赤字は、前回久保がご紹介した、レジスタントスターチを多く含む食品です。今回はこの中から、①~⑤の食品について、プラスワンと常備する方法についてご紹介します!

①さつまいも --- ゆでる→冷凍で常備してプラスワン

さつまいもといえば、アツアツの焼き芋!を思い浮かべる方がいらっしゃるかもしれません。もちろん、さつまいもにはレジスタントスターチが多いので、アツアツでも十分に供給源になります。よりレジスタントスターチを残した食べ方をしたいという方には、前回の発見編でご紹介したように、1)さつまいもを加熱するときには、電子レンジを使うよりも、蒸す、ゆでるという加熱方法にする、2)アツアツよりも少し冷ます、という方法がおすすめです。

さつまいも(大なら1本、中なら2本)をよく洗い、皮がついたまま1~1.5cmの輪切りにしてゆでます(蒸してもOK)。少しさめたら輪切りのさつまいもを冷凍用保存袋に並べていれて、冷凍庫に入れておきます。食べる前に室温かレンジで解凍します。

これを四角く切って「小さな」器に盛りつけ、きなこ(+砂糖)、ゆずマーマレード、はちみつなど、甘みを少し足すと美味しいデザートができます。ティータイムのおともに、プラスワンされてはいかがでしょうか(ただし、エネルギーは上がりますから、その分、運動で消費されることもお勧めしたいです)。ポテトサラダのじゃがいもの代わりに用いても、美味しいですよ。

(文献)
文献:亀井文、渡邉明恵.さつまいもの加熱調理方法の違いによるレジスタントスターチ量と不溶性食物繊維量について.日本調理科学会大会研究発表要旨集 25(0), 135, 2013

②長芋 --- すりおろして常備→プラスワン

次に、長芋についてお伝えします。
イラストのように、すりおろして用いる場合、食べた残りは小分けにして冷凍し、使いたいときに自然解凍して、やまかけごはんや、納豆にまぜる、などの方法でプラスワンできます。

家庭用冷蔵庫での長期保存は冷凍焼けが生じて風味が損なわれる可能性があるため、早めに食べ切る量を保存されることをおすすめします!

文献:亀井 文, 坂岡 優美.長芋の調理形態と加熱処理温度によるレジスタントスターチ量の変化.日本調理科学会大会研究発表要旨集 30(0), 141, 2018

長芋は保存期間が比較的長い食べ物として知られていますから、野菜室に常備し、1回分ずつ使用して、残りは切り口にラップをかけて保存する方法もあります。時々おかずに、小鉢で1品を足すと良いですね。なお、たくさん食べ過ぎると、お腹が緩くなる場合もあると言われているため、1日に小鉢1杯分を目安に摂ってみてください。

③豆類 --- 塩茹でして常備→プラスワン

豆類とひとくくりで言っても、インゲン豆・エンドウ豆・ひよこ豆・そら豆など種類が豊富にあります。これらを、いつものサラダやクリームシチューなどにプラスワンすることで、手軽にレジスタントスターチを摂ることができますね。1回量は多くなくても、いろんな方法でプラスワンしていくのが、長く自然に続けられる方法だと思います。大豆などは煮豆にして、副菜(小さいおかず)の1品とするのも一つの手ですね。

④パスタ --- 茹でて常備→プラスワン

パスタにもレジスタントスターチを多いということを前回ご紹介しました。好みの硬さにゆでて、パスタソース(今はたくさんの種類が売られています)であえたり、オリーブオイルで野菜やソーセージと炒めたりすると、簡単に食べられますね。

ゆでるのが面倒という方には、電子レンジで簡単にゆでられる容器が市販されていますし、まとめて茹でて冷凍保存することもできます。保存するときは1人分ずつ。解凍してパスタとして食べるほかにも、たくさんの野菜と一緒に短く切ったパスタをあえてサラダにしたり、グラタンに入れたりというプラスワンの方法があります。パスタでなくても、マカロニでも良いです。

⑤コーンフレーク

「コーンフレーク」は、昨年のM-1のネタで使われてからとても売れているそうです(笑)!プラスワンの方法として、いつもの朝食のローテーションに加えていただいたり(ヨーグルトをかける)、おやつとしてヨーグルトや白いプリンの上にプラスワンして「ザクザクした感触」を楽しんでいただいてはいかがでしょう。

この「ザクザク」した食感を活かして、パン粉の代わりに揚げ物の衣として用いるのもいいですよ。コーンフレークは、保存がきくものが多いです。健康志向のものを選んでみませんか?例えば、穀、⻨、ドライフルーツ、ナッツ類などを含むものなど、種類がたくさん出ています。食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富なものも多いので、いろいろ試されてはいかがでしょうか?

【おわりに】

今回の実践編、いかがでしたでしょうか。意外と簡単にできることもあったのではないでしょうか。ぜひぜひ、実践してみてください! 今回紹介しきれなかった食品についても、いずれ、ご紹介していく予定です。お読みくださりありがとうございました。

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