食物繊維とレジスタントスターチ

食物繊維には世界的に統一された定義はない

三大栄養素の一つである炭水化物は、糖類と食物繊維により構成されている。この定義は長年世界で受入れられてきたが、近年、この中間的なものの存在が明らかになったことから少し混乱が生じている。

従来の考え方から言うと、物性としてはでんぷんは糖類であるが、機能は(消化されない)食物繊維、即ち、これこそがレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)なのである。

レジスタントスターチも食物繊維の一種?

食物繊維には、多糖類 やオリゴ糖、リグニンやこれらが結合した植物成分が含まれる。食物繊維は便通改善や血中コレステロールや血糖値の抑制などの有用な生理作用を促進することが知られている。

従来の定義と異なり、この食物繊維の説明では、でんぷんではない多糖類やレジス タントオリゴ糖などの炭水化物も含まれる。この定義では、レジスタントスターチも食物繊維に含まれるので、レジスタントスターチは食物繊維の一種ということになる。

より最近では、国立アカデミー医学協会の食品・栄養部会も食物繊維の定義を発表し、その中にレジスタントスターチも含めている。コーデックス委員会も定義を作成しようとしているが、未だ検討段階にある。

従来から英国の定義には、非でんぷん多糖類とリグニンだけを食物繊維としており、レジスタントスターチは含まれていない。この定義は、 Englyst 達の測定法に基づくものである。

英国食品規格委員会では、食品メーカーに食品中の食物繊維を測定する方法としてAOAC法を使うように推奨しているが、既存の食物繊維の推奨摂取量の基礎となっているのは Englyst 法であり、更には、既存食品成分表も Englyst 法で測定された数値を使っていることがら、AOAC 法を使用することが 困難な状況にある。

現在、我が国では、食物繊維は(動物性食品起源も含め)体内消化酵素では消化されない難消化性成分の総体と一般的に考えられている。

この定義からいえば、難消化性のでんぷんであるレジスタントスターチも食物繊維の一種といえる。現にわが国でも、一部のレジスタントスターチについては暫定的に食物繊維に分類されている。

今後研究が進めばレジスタントスターチは食物繊維に分類される日も遠くないと思われる。

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